三昧

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2007年08月12日 09:39

Aです。

今日は僕の思い出話を聞いてください。




ある日、方広寺の研修所ですごく早起きをした僕は、ふらふらと境内の坂道を上って、半僧坊殿の前まで来ていました。


そこから読経の声が聞こえてきます。


何人もの僧侶の声の中に、聞き覚えのある声があります。


そう、向和尚です。




好奇心にかられた僕は、こっそり彼らの後ろに回り、朝のお勤めの一部始終を見守っていました。




いくつものお経を読んでいるのですが、ただ読んでいるのではありません。


特に向和尚は100%の声で、全身全霊でお経を読んでいます。


身体全体がお経になったかのようです。




その状態を「三昧(ざんまい)」と言います。




それは、やっている行為に成りきるということです。


自分の行為をいつも客観的に見張っている、心の中の見張り人が消えて、ただただやっていいる行為に没頭するのです。


まるで小さな子供のようです。




僕たちは一日の中で、どれくらい成りきっている時間があるでしょうか。



向さんの読経する後ろ姿を眺めながら、そんなことを思いました。






これからもよろしくお願いします