偶然の一致

それから間もなくのことです。



仕事から帰って、車を車庫に入れると、その車庫の奥で、なにやらごそごそ動いています。



なんとなく嫌な予感がして、薄暗い隅っこを覗くと、例の猫が横になっていました。


いつもなら近づくと、さっと逃げるのに、この日に限ってはじっとしたまま、おとなしく僕を見つめています。




病気にでもなったのかとよく見てみたら・・・あっ・・・いるわ、いるわ。


母猫のお腹にしがみつくようにして４匹の子猫が生まれていたのです。




「あちゃ、ここで産んだか」と思ったのが正直な気持ちです。


でもまさか捨てに行くわけにもいかず、その駐車場に底の浅い大きめのダンボール箱を置き、バスタオルを敷いて、近くに餌と水を与えるようになりました。



４匹の子供にミルクを与えるのですから、いつも以上にお腹が減るはずです。





そんな生活が始まって、しばらくした頃に、はっと気がつきました。


そのときの驚きは言葉で伝えることができません。

本当に驚いたんです。




その４匹の子猫の模様が、１７年前に拾った４匹の子猫とまったく同じだったからです。





つづく