マイナスとプラス
どんな出来事にもプラス・マイナスの両面があるといいます。
それでも事によっては、マイナスだけという場合もあるのではと考えていました。
たとえば中国で起きているチベット弾圧です。
実際に苦しんでいる人たちのことを具体的に知れば知るほど、このような忌まわしい出来事のどこに、プラスの側面があるのかと思ってしまうわけです。
ところが、以前参加したダライラマの講演会で、「中国が弾圧してくれたおかげで・・・」という言葉が飛び出したのには驚きました。
その時におっしゃったのは、1950年から60年にかけて、多くの高僧が海外に亡命し、そのおかげでチベット文化とチベット仏教が多くの人たちに知られるようになったということです。
なるほど、当時欧米などの先進国において、物質文明が過渡期を迎え、伝統宗教の迷信性に疑問を抱いていた若者の心を、東洋思想「仏教」ががっちり掴んだ背景には、そんなチベット事情もあったのかもしれません。
西洋で花開いた仏教文化は、単に一時のことで終わるのではなく、ニューエイジカルチャーそのものに影響を与え、現在の我々の成長に大きな役割を果たしてくれました。
それは人類規模の視点から見た時にはプラスの面です。
そう言えば、日本でも中国との関係で同じようなことが起きた時がありました。
これは歴史の皮肉のような話ですが、また明日書かせてもらいます。