エゴという怪物
そんな祝福の対極にあるのが、我々人間が持つ自我(エゴ)です。
それは実際には存在していない影のようなものです。
ところが影のほうがリアルに感じてしまうのが、この学園生活(人生)のトリックです。
影は実体がない故に、なんとか自分が存在していることを証明し確認しようとします。
そのやりかたは巧妙を極め、大変複雑に機能しています。
そのメカニズムを5段階に分けて解説したのが般若心経に出てくる五蘊(ごうん)です。
五蘊については表ブログですでに解説しましたので、ここでは割愛します。
同じようにエゴのメカニズムを表したものに、「物質主義の三大王」と呼ばれる考え方があります。
これはチベット仏教が用いる、エゴに対する興味深い比喩です。
こちらのブログでは、「物質主義の三大王」を取り上げてみます。
その前に、エゴという怪物が暴走したとき、世界にどれくらいの破壊をもたらすのか見てみましょう。
この数千年間に繰り返された戦争は、すべてエゴのなせる業ですが、近代の中国で起きた文化大革命も、一人の男の巨大なエゴがもたらした凄惨な出来事です。
その男の名は毛沢東。
大躍進政策の失敗によって権力の座から失脚した彼が、復権を目指して起こした運動が文化大革命です。
それによって1000万人以上が殺されました。
たった一人の人間のエゴが、それだけの人間を殺す結果につながるのです。
次回は、我々全員の中に眠るエゴという怪物の正体を、チベット仏教の「物質主義の三大王」を通して見ていきます。
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