2007年08月10日

禅の公案(向和尚より)

今日は「公案」についてお話しましょう。


「公案」の元々の中国語の意味は、「おおやけの法則条文」のことで、私情をまじえず尊び守るべき絶対的なものということです。


この「公案」が転じて、禅宗で仏陀や達磨、臨済などの祖師が、弟子と交わした問答において示された真理・お悟りの境地を記録し、伝えたものを称するようになりました。


長い禅の歴史における、師から弟子への生きた伝統の継承の記録(禅の語録)のなかに、「公案」として伝えられたものは約5500則あります。



白隠禅師は、それら公案を整理して、「公案体系」として確立し、日本の臨済禅を再興されました。


その後、今日までの日本の臨済禅は、だいたい白隠さんの公案体系のカリキュラムに従って参禅修行がなされています。



この公案体系の参禅修行を終了するには、10年から15年かかります。

この公案修行を終了し、師匠から悟りの境地に間違いないと認められると、「印可証明」が授与され、老師(禅マスター)となる資格が与えられます。



もちろん、「印可証明」が授与されたからといっても禅の修行に終わりはありません。

谷間を流れる清流のように、どこにもとどまらずサラサラと流れ往くのが「無位の真人」であり、禅の純粋生命ですから。



次回は、いくつかの公案について、そして悟りの世界についてお話してみます。





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最近多くの書籍で、21世紀は禅の生き方に学べということが書かれています。



僕たちにとって縁遠い感じがする禅の世界。

その世界をちょっと覗かせてもらえるように、向和尚に投稿をお願いしています。






多くの人に届きますように




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