2007年09月14日

<かんながら>のオープニング

向和尚のお話が、ひと段落したみたいなので、今日も僕の独り言です。




<かんながら>の物語の中に、退院したAが吉野の渓谷を歩いているシーンがあるでしょ。

もともとのストーリーは、そこから始まっていたんです。



頭にバンダナを巻いて、リュックを背負って、杖をついて・・・



実際にそんな格好でした。



天川村の川合というバス停で降りて歩き出したんだけど、そこには天川という川が流れていました。

川にはつり橋が架かっていて、僕はそのたもとに腰を下ろして、ゆっくりと晴れ渡った空を見上げました。



ちょうどそこに、2羽の大きな鳶(とんび)が悠々と翼を広げて、大空を舞っていました。


その瞬間、ずっと鳴り止んでいたウォークマンのテープが最初に戻ったみたいで、カシャっと裏面に変わり、いきなり音楽が流れ始めました。


喜多郎のシルクロードのテーマです。


なんだか映画のオープニングシーンみたいな感じで、いつかこの光景が映画になるんじゃないかなんて思いました。




「僕の人生はこれからどこに流れていくのかな」

すごくドラマチックな気分でした。



そこから30分くらい歩いて天河神社にたどり着きました。



3月の天河は、まだ氷のように冷たい空気に覆われていました。


物語ではその日のうちに一旦東京に帰ったことになっていますが、実際には天河神社の近くに2泊しました。



その日の夜は一晩中雪が降り続き、夜が明けたらあたり一面が銀世界で驚きました。

特に神社の赤い色と、雪のコントラストが素晴らしく、まるで龍宮城にいるような不思議な気持ちになりました。


<かんながら>のオープニング
             雪の天河神社



僕は、しばらくここに暮らすことになるんだろうなと直感しました。



宮司さんが天の川温泉に僕を追いかけて来てくれたのは、実際にはその翌日のことです。


本当は宮司さんが僕を誘ってくれる前から、僕はここにいることになると知っていたのです。






これからもよろしくお願いします




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