2007年09月19日

お経の練習

こうして物語とは別に、天河での思い出を綴っていると、ずっと忘れていた細かい出来事の数々がよみがえってきます。

天河にいた4ヶ月間で、様々なマントラや般若心経や祝詞、大祓詞などを覚えましたが、最初に覚えたのが般若心経でした。


神仏習合時代の名残で、天河神社では般若心経を唱える場面が多くあったのです。



山岳修業を終えた修験者達が、洞川経由で天河に訪れ、そこで心身を癒すということが昔から慣例化していたようでした。


毎日のように山伏の装束をつけた男達が、お参りに来ていました。


彼らは不動明王のマントラと、般若心経を好んで読んでいましたが、それは全身全霊を込めた力強いものでした。


僕も毎回のようにそのお参りに立ち会っているうちに、なんとなく経文を覚えていきました。


それでも276文字の漢字でできたお経です。

すぐに丸暗記という訳に行きません。



そこでこっそり一人で練習したものです。

僕の練習場所は、円空上人が一刀彫でこさえた弁財天像を奉った、小さな祠でした。



普段は誰も近づかないので、大声で練習したのを覚えています。


お経を読みながら、こんな山奥で自分はいったいどうしてしまったのだろうと、不思議な気持ちがしたものです。


懐かしい思い出です。





これからもよろしくお願いします




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