2007年12月04日

猫たちの弔い

その2匹の猫は、まるで双子みたいに何から何までそっくり。

どこかに行っちゃわないように2匹とも去勢したら、少し太りだしてますます似てきました。


ただひとつの違いは、最初に抱かれたほうの猫の尻尾が途中で大きく曲がっていたこと。

もう1匹は長くてスラリとした尻尾でした。


どちらも母にたいへんなついていました。




ところが、それから数年後、悲しい出来事がありました。



母がNYの親戚に行っている間、留守番と猫の世話を頼まれていたのですが、ある夜、尻尾の長いほうのが、なかなか帰ってきません。


心配していると、全身に打撲傷を負った体で帰ってきました。

蹴られたのか、自動車に轢かれたのか、すでにヨタヨタと弱っていました。


とにかく病院に連れて行こうと、どうやって運ぼうか考えていると、ドアの外で「ニャア、ニャア」と何匹もの猫の鳴き声がします。


なんだと思って開けてみると、近所の猫が10匹近くも集まって、家の中を覗こうとしているのです。

我が家の近くで、そんなに猫が集まっているのを見るのは初めてでした。

とても不思議な光景でした。


心配しているというよりは、死んでいく仲間を見送っているかのような気がしました。


「え?死んじゃうの?」

そう思ったほどです。




その予感は当たりました。


まもなくその猫は、重態の体をやっと立ち上がらせたかと思うと、その場にバタリと倒れこみ、そのまま亡くなってしまいました。




ドアの外では、しばらくの間、猫たちが佇んでいました。





つづく






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Posted by Blog Ranking at 11:10