2008年01月28日

奥の院 2

特に2人の僧と仲良くなり、その後も親交が続きました。


一人は玄考さんと言って、高野山奥の院の僧侶でした。

当時20代後半の若者だったと思います。



高野山には多くの寺院がありますが、その中でも奥の院は中心的存在で、多くの僧たちがおつとめと修行に励んでいました。


僕は誰と出会ってもすぐに、自分の体験から気づいたこと、自分の心の中で揺るぎなく流れる真実について語り始めます。


そのようにして相手の反応を見ながら、どこまで喋っていいものか様子をうかがいます。



もし相手が理解してくれたりしたら、話はどんどん深まっていきます。


ところが同じように精神世界を学ぶ人たちの中で、本当に全てをわかりあえる仲間との出会いは稀です。



だからそのような出会いはいつまでも忘れる事がないのです。


その一人が玄考さんでした。




僕は会ってすぐに彼に言いました。

目の前には、初夏の日差しを浴びて、緑の葉をいっぱいにつけた、大銀杏の木がそびえ立っていました。



「本当はすべては一つにつながっていて、僕たちは全員、本質的に同じものなんだよね」


隣に立っていた彼は、顔だけを僕のほうにむけて、じっとこちらを見ていました。



僕はその視線を横に感じながら話を進めました。






今日も応援よろしくお願いします。

  奥の院 2



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