2008年02月07日

祈り

歌い終わると、玄考さんは仏壇に向かって般若心経を唱えだしました。

ちょっと芝居がかった展開でしたが、きっと歌のお返しに唱えてくれたのでしょう。


吉野の山奥の小さな人里の、これまた小さなお寺の中は、まるで異次元のような雰囲気に包まれていました。

一心不乱に経を読む青年。


同じ時代に生きているというのに、人が選ぶ人生はなんと多くの可能性にあふれていることでしょう。




読経を終えた玄考さんが、振り向きながら言いました。

「世界の争いや苦しみがなくなるといいですね」


そのまなざしには優しさがあふれていました。


「そうですね。なくなるといいですね」

僕もそう答えました。



宇宙との一体感。

それはそのまま、自分が全体であることを意味します。

同時に、全体が自分という器を通して生きているということでもあります。



個人の悟りの体験から発生するのは、世界全体が幸せであることを祈ることです。


なぜなら、世界全体が自分だからです。






よろしくお願いします

  祈り



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