2008年03月08日

ラジニーシ・アシュラム 2

そこはマンションの部屋をいくつかくりぬいたような場所でした。


当時サニヤシン達のお決まりの装束だったオレンジ色のローブと、バグワンの写真が入ったネックレスを下げた人たちが、共同生活をしていました。

彼らのたち振る舞いには若干の違和感もありましたが、ここにいる人たちは社会の価値観を離れて、自我の超越を目指して集っているんだと自分に言い聞かせ、それからというもの毎日のようにアシュラムに通い始めました。




僕はそれまでの仕事をすべて廃業して、まったく新しい誰でもない人間として生きようとしていました。

この世の財産も名誉も、すでに自分にとっては全く意味のないものになっていました。


バグワンの一片の矛盾も無駄もない真理の言葉達にすっかり魅了されていましたので、彼にサレンダーしたいという気持ちが、当時の僕の一番の望みでした。


世の中にあふれる幾多の情報には生命がなく、上辺の形だけでしたので、そのような世界で生きていくよりは、真理に抱かれて死にたいというのが当時の希望でした。


命がけだったと思います。




しかし時が経つにつれ、そのアシュラムを構成する人たちに物足りなさを感じはじめました。


中に何人かは興味が持てる人もいましたが、その大半は何故この人たちがバグワンのもとに集まってきたのか理解できませんでした。



そのうち分かり始めたことがありました。

多くの人たちは実際の社会生活ではうだつが上がらずに、今度は精神世界においてひとかどの人物を目指しているということに気がつきました。


ある者は自分がいかに霊感があるかを吹聴し、見えないものを見えると言って人の注目を得ようとしていました。

ある者は記憶したバグワンの言葉を披露して、自分が一番の理解者だと思わせようとしていました。


彼らは何一つ捨てていませんでした。

何も勝ち得ていないのですから、何も捨てることなどできるはずがありません。




早くも僕は失望していました。








現在は「物語」と「事実」を整理しています。

そのことが次に始まるであろう第2章のリアリティーのために必要なことだと考えています。



これからも応援よろしくお願いします。

 

ラジニーシ・アシュラム 2



Posted by Blog Ranking at 14:08