2008年04月28日

身の大王(エゴの仕組み)

昨日書いた「身の大王」が消えてしまったので、再度書いてみます。

その時の文章とは少し違うと思いますが・・・





自我(エゴ)を形成する三つの作用「物質主義の三大王」のうちの、「身の大王」の話です。

この話はあまりにも基本的なので、基本的すぎて難解に感じるかもしれません。



そもそも「自己」とか「自我」(エゴ)とか呼べるものは存在していません。<諸法無我>


「ない」ものを「ある」と思ってしまったところから、人間の心の中に様々な混乱が生まれています。




たとえば今、あなたは自分がこのブログを読んでいると感じています。

僕は僕で、自分がこのブログを書いていると感じています。


思考や感情や出来事が起こる時、その起きたことを意識している「自分」があるという感覚があります。

実際には「自分」という感覚は、断片的な経験であり、つかの間の出来事です。


その束の間の経験を記憶として持ち運び、つなぎ合わせて、常に継続的で固定された「自分」があると感じてしまうのです。


そして、そのようにして作り出した「自分」を、維持し、守り、高めようとします。


それが自我(エゴ)と呼ばれる作用です。





今世の中には過剰なまでのストレスやノイローゼが蔓延していますが、これも出所は同じです。

それは誰かにあって、誰かにないというようなものではありません。


僕たちが「自分」(エゴ)を持っている限り、その影響からは逃れられないのです。。

したがって医師からノーローゼと診断された人も、正常とされる人も、それは単に程度の差であって、全ての人間はノイローゼ状態、パラノイヤ状態、分裂状態にあると言えます。



その混乱は、「自分」が継続的で固定された存在だと思ってしまったことから生まれているのです。




僕が何を言おうとしているのか、よくわからないという人もいるかと思います。

それくらい「自分」という感覚は、生活の中でも基本的な感覚なのです。

したがって、そのことについて客観的に検証することが極めて難しいのです。





「身の大王」は、そのようにして作り出した架空の「自分」のために、安全を確保し、快楽をひきつけ、苦痛を排除しようと躍起になっています。


そのために、あの手この手で苦しみをなくし、幸福を掴もうとします。

しかしどこまで行っても、苦しみや不安は消えることなく付いてきます。


苦しみや不安は、自我(エゴ)が持つ特性なので、決してそこから逃れることはできません。

ちょうどそれは影のような存在です。

どこまで行っても付いてくるのです。


それなのに人は、まだそれがあるのは十分に努力していないないからだと考えて、より早くより遠くに行こうとするのです。



「身の大王」は休むことなく働いて、自己(エゴ)を保護するために躍起になっています。





つづく






多くの人に届きますように、応援よろしくお願いします。

 身の大王(エゴの仕組み)



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